出産後のママは心身ともに不安定になりやすく、「授乳がうまくいかない」「赤ちゃんのお世話の仕方がわからない」といった悩みを抱えがちです。川崎市では、そんな産後ママをサポートするために産後ケア事業を実施しています。
この記事では、川崎市の産後ケア事業について、利用できるサービスの種類や料金、申請方法から実施施設まで詳しく解説します。これから出産を控えている方や、現在産後で支援を必要としている方は、ぜひ参考にしてください。
川崎市の産後ケア事業とは?制度の概要と対象者
川崎市の産後ケア事業は、出産後の母子を対象に、助産師などの専門家が育児や母体のケアをサポートする行政サービスです。初めての育児で不安を感じている方、退院後に手伝ってくれる人がいない方、授乳トラブルを抱えている方などが気軽に利用できます。
令和6年10月1日からは制度がさらに充実し、6時間滞在型の日帰りロング型が新設されました。また、訪問型の利用期間もお子さまが1歳未満まで延長されており、より長期間にわたるサポートが受けられるようになっています。
産後ケア事業で受けられるサービス内容
川崎市の産後ケア事業では、お母さんと赤ちゃんの両方に対してケアを提供しています。お母さんへのケアとしては、授乳指導や乳房ケア、休息の確保、育児の相談、母体の健康管理などが含まれます。
赤ちゃんへのケアとしては、授乳のサポートや沐浴指導、発育状態の観察、お世話の仕方のアドバイスなどが受けられます。専門知識を持つ助産師が対応するため、「母乳が出ているか不安」「赤ちゃんが泣き止まない」といった具体的な悩みにも丁寧に答えてもらえます。
利用できる対象者と条件
川崎市の産後ケア事業を利用できるのは、川崎市に住所のある乳児とその母親です。宿泊型と日帰り型はお子さまが生後4か月未満まで、訪問型はお子さまが1歳未満まで利用可能となっています。
なお、36週6日までに出産した方(早産の場合)は、修正月齢で利用期間が計算されます。医療行為が必要な方(処方薬の服薬中や医療機関受診中など)は、お住まいの区役所地域みまもり支援センター地域支援課への相談が必要です。
川崎市の産後ケアで選べる4つの利用タイプ

川崎市の産後ケア事業には、宿泊型、日帰りロング型、日帰りショート型、訪問型の4つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解して、自分のライフスタイルや状況に合ったタイプを選びましょう。
お子さま1人につき通算7日(回)までの利用が可能で、双子の場合は14回まで利用できます。宿泊型は1日を1回とカウントするため、6泊7日の宿泊で7回分の利用となります。
宿泊型の特徴と利用シーン
宿泊型は、市内の助産所や医療機関に宿泊しながらケアを受けるタイプです。1泊2日から最大6泊7日まで利用でき、24時間体制でサポートを受けられます。
退院後すぐに自宅での育児に不安がある方や、夜間の授乳で体力的に限界を感じている方に特におすすめです。助産師が常にそばにいる環境で、ゆっくり休息を取りながら育児スキルを身につけることができます。
日帰り型(ロング・ショート)の特徴
日帰り型には、6時間滞在のロング型と90分のショート型の2種類があります。ロング型は令和6年10月から新設されたタイプで、昼食付きで半日程度のケアを受けられます。
ショート型は1回90分で、母乳ケアや育児相談など特定の悩みに集中してアドバイスを受けたい方に向いています。「宿泊するほどではないけれど、専門家に相談したい」という方には日帰り型がぴったりです。
訪問型の特徴と対応エリア
訪問型は、助産師が自宅に訪問してケアを提供するタイプです。1回90分で、外出が難しい産後ママにとって最も利用しやすい形態といえます。
訪問型の大きな特徴は、お子さまが1歳未満まで利用できる点です。他のタイプが生後4か月未満までなのに対し、訪問型はより長期間のサポートが受けられます。自宅という慣れた環境でケアを受けられるため、実際の育児シーンに即したアドバイスがもらえるのも魅力です。
川崎市の産後ケア利用料金と減免制度
川崎市の産後ケア事業は、利用タイプによって料金が異なります。市からの補助により、自費で利用するよりも大幅に安い料金でサービスを受けられます。
参考として、自費で産後ケアを利用する場合は1日あたり3万円程度かかることもありますが、川崎市の事業を利用すれば宿泊型でも1泊7,500円程度で済みます。
各タイプの基本料金一覧
川崎市産後ケア事業の利用料金は以下のとおりです。
- 宿泊型:1泊2日15,000円(延泊ごとに7,500円追加)
- 日帰りロング型:1日7,500円(昼食付き・6時間)
- 日帰りショート型:1回4,000円(90分)
- 訪問型:1回5,000円(90分)
利用料金は当日、各実施施設または助産師に直接支払います。クレジットカードが使えない施設もあるため、現金を用意しておくと安心です。
2,500円減免制度の適用条件
2024年4月から、母親1人につき最大5回まで利用料金が2,500円減免される制度が始まりました。一般世帯の方でも、最初の5回は通常料金から2,500円引きで利用できます。
例えば、訪問型を5回利用した場合、通常なら5,000円×5回=25,000円のところ、2,500円×5回=12,500円で利用可能です。6回目以降は基本料金での利用となります。
非課税世帯・生活保護世帯の減免内容
市民税非課税世帯の方は、さらに大きな減免を受けられます。宿泊型と日帰りロング型は1日2,500円、日帰りショート型と訪問型は無料で利用できます。
生活保護世帯の方は、すべての種類で利用料金が無料です。減免を受けるには、非課税証明書または被保護証明書の提出が必要となります。4月から6月に利用する場合は前年度、7月以降は当該年度の証明書を用意してください。
川崎市産後ケアの申請方法と予約の流れ
川崎市の産後ケア事業を利用するには、まず川崎市への利用申請が必要です。申請から施設予約、実際の利用までの流れを順を追って説明します。
妊娠32週から申請が可能なので、出産前に余裕を持って手続きを済ませておくことをおすすめします。申請から承認通知書の発行まで約10日程度かかるため、早めの準備が安心です。
e-KAWASAKIでの電子申請手順
川崎市への利用申請は、オンライン手続きサービス「e-KAWASAKI」から行います。パソコンやスマートフォンから24時間いつでも申請できるため、忙しい妊婦さんでも自分のペースで手続きを進められます。
申請後、約10日程度でe-KAWASAKI内のマイページに「利用承認通知書」が届きます。この通知書に記載された承認番号が施設予約時に必要となるため、必ずダウンロードして保存しておきましょう。電子申請が難しい場合は、こども未来局児童家庭支援・虐待対策室母子保健担当(電話:044-200-2450)に連絡することで対応してもらえます。
施設予約の方法と連絡先
利用承認通知書が届いたら、希望する実施施設へ直接電話して予約を行います。川崎市助産師会の協力助産所を利用する場合は、川崎市助産師会産後ケア事業部(電話:044-819-4635)に連絡すると、施設予約のコーディネートをしてもらえます。
受付時間は月曜日から金曜日の午前10時から午後4時までです。医療機関や訪問看護事業所を利用する場合は、各施設に直接連絡して予約してください。予約の際には承認番号を伝え、必要な持ち物を確認しておきましょう。
川崎市の産後ケア実施施設を紹介
川崎市の産後ケア事業は、医療機関、川崎市助産師会の協力助産所、訪問看護事業所で実施されています。市内各区に施設が点在しているため、自宅から通いやすい施設を選ぶことができます。
川崎市公式サイトでは、各施設の詳細情報や対応している利用タイプが一覧で確認できます。

医療機関で受けられる産後ケア
川崎市の産後ケア事業に参加している医療機関として、芥川バースクリニック(麻生区)、新百合ヶ丘総合病院(麻生区)、鷺沼産婦人科(宮前区)、総合川崎臨港病院(川崎区)、太田総合病院(川崎区)、川崎市立川崎病院(川崎区)、関東労災病院(中原区)、北村医院(中原区)などがあります。
医療機関によって受け入れ可能な月齢や、自院出産者のみ対応といった条件が異なります。また、すべての医療機関が日帰り型や訪問型に対応しているわけではないため、事前に確認が必要です。
川崎市助産師会の協力助産所
川崎市助産師会には多くの協力助産所が所属しており、宿泊型から訪問型まで幅広いサービスを提供しています。主な助産所として、森重助産院(川崎区)、小峯助産院(幸区)、ウパウパハウス岡本助産院(中原区)、さくらバース(中原区)、宮前お産宿えん助産院(宮前区)、稲田助産院(多摩区)などがあります。
訪問型専門の助産師も多数登録されており、市内全域をカバーしています。どの助産所を利用すればよいかわからない場合は、川崎市助産師会に相談すると、希望に合った施設を紹介してもらえます。
川崎市の産後ケア利用時の注意点とキャンセルポリシー

川崎市の産後ケア事業を利用する際には、いくつかの注意点があります。まず、利用承認通知書がなければサービスを受けられないため、必ず事前に申請を完了させておく必要があります。
また、原則として母子同室での利用となり、体調管理は自己責任です。医療機関を利用した場合でも診察や治療は行われないため、体調に不安がある場合は事前に相談しておきましょう。
利用日の変更やキャンセルは、前日の正午までに施設へ連絡すれば無料で対応してもらえます。ただし、それ以降の連絡や無断キャンセルの場合は、利用予定だった種別の利用料金がキャンセル料として発生します。キャンセル料は減免の対象外となるため注意が必要です。なお、出産後の退院日延長や災害発生時にはキャンセル料は発生しません。
川崎市の産後ケア事業に関するよくある質問
Q. 妊娠中に申請しておくことはできますか?
妊娠32週から申請が可能です。申請から承認通知書の発行まで約10日かかるため、妊娠中に申請を済ませておくと、出産後すぐに利用できて安心です。特に退院後すぐの利用を希望する場合は、早めの申請をおすすめします。
Q. 他の病院で出産しても利用できますか?
川崎市に住所があれば、どの病院で出産しても産後ケア事業を利用できます。ただし、一部の医療機関では自院で出産した方のみを対象としている場合があるため、事前に確認してください。助産所での産後ケアは出産場所に関係なく利用可能です。
Q. 双子の場合、利用回数はどうなりますか?
双子の場合は、通常の7回ではなく14回まで利用できます。多胎育児は特に負担が大きいため、積極的に産後ケア事業を活用して、少しでも心身の負担を軽減しましょう。
まとめ
川崎市の産後ケア事業は、出産後のママと赤ちゃんを専門家がサポートする心強い制度です。宿泊型、日帰り型、訪問型の4タイプから自分に合った形態を選べ、2024年からは減免制度も充実して利用しやすくなっています。
妊娠32週から申請できるため、出産前に余裕を持って手続きを済ませておくと安心です。「一人で頑張らなければ」と思わず、困ったときは専門家の力を借りて、ゆとりある産後生活を送りましょう。詳しい情報は川崎市公式サイトや川崎市助産師会のホームページで確認できます。
