海外赴任や留学、ワーキングホリデーなどで長期間日本を離れることになった場合、住民票のある自治体に海外転出届を提出する必要があります。川崎市にお住まいの方が海外転出届を提出する際には、各区役所の区民課で手続きを行います。
この記事では、川崎市での海外転出届の具体的な手続き方法から必要書類、マイナンバーカードの取り扱い、国民健康保険や年金の手続きまで詳しく解説していきます。
川崎市の海外転出届とは何か
海外転出届とは、日本国内の住所を海外に移す際に市区町村役場へ提出する届出書類のことです。川崎市では、おおむね1年以上にわたって海外で生活する場合に届出が必要となります。
この届出を提出すると住民基本台帳から除票され、それに伴い印鑑登録も自動的に抹消されます。なお、国内の他市区町村への転出届とは異なり、海外への転出届を提出しても転出証明書は発行されません。
届出が必要となる条件
海外転出届が必要となるのは、海外での滞在期間がおおむね1年以上となる場合です。短期の海外出張や旅行であれば届出の必要はありませんが、留学や海外赴任、国際結婚による移住などの場合は提出が求められます。
届出ができるのは本人、世帯主、または同一世帯の方に限られています。それ以外の方が届出を行う場合は、委任状を用意した上で代理人として手続きする必要があります。
届出をしないとどうなるか
海外転出届を提出せずに渡航した場合、住民票が日本国内に残ったままとなるため、住民税の課税対象となり続けます。また、国民健康保険料や国民年金保険料の支払い義務も継続して発生します。
特に住民税は毎年1月1日時点で住民登録のある自治体に課税されるため、年末に海外へ渡航する予定がある方は、12月中に転出届を提出しておくことで翌年度の住民税を非課税にできます。
川崎市で海外転出届を提出する際の必要書類

川崎市で海外転出届を提出する際には、本人確認書類をはじめとしたいくつかの書類が必要です。事前に準備しておくことで、窓口での手続きをスムーズに進めることができます。
届出に必要な書類は本人が届出するか代理人が届出するかによって異なりますので、以下でそれぞれ確認していきましょう。
本人が届出する場合
本人が窓口で届出する際に必要な書類は以下の通りです。
- 本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど顔写真付きのもの)
- マイナンバーカードまたは住民基本台帳カード(交付を受けている方)
- 国民健康保険証(加入者のみ)
- 印鑑登録証・市民カード(登録者のみ)
顔写真付きの本人確認書類がない場合は、健康保険の資格確認書、年金手帳、社員証、学生証などを2種類以上持参する必要があります。介護認定を受けている方は、受給資格証明書の発行手続きも必要となるため、区役所保険年金課でも手続きが必要です。
代理人が届出する場合
代理人が届出を行う場合は、上記の書類に加えて委任状と代理人自身の本人確認書類が必要です。委任状は川崎市のホームページからダウンロードできるほか、便せんなどに必要事項を記載して作成することも可能です。
法定代理人(親権者、未成年後見人、成年後見人など)が届出する場合は、戸籍謄本その他の法定代理人の資格を証明する書類が必要となります。委任状を作成する際は、委任者本人が自署することが求められます。
川崎市の海外転出届の届出期間と受付窓口
川崎市で海外転出届を提出できる期間と、各区役所の窓口情報について解説します。届出は転出予定日の前に行うのが原則ですが、やむを得ない事情がある場合は転出後の届出も可能です。
なお、川崎市では市役所本庁舎、支所、出張所、行政サービスコーナーでは海外転出届の取り扱いを行っていませんので注意が必要です。
届出ができる期間
海外転出届は、転出予定日が決まってから転出する前までに届出するのが原則です。引越し前にあらかじめ届出をしておくことで、出国前に必要な各種手続きをまとめて行うことができます。
平日の受付時間は午前8時30分から午後5時までとなっています。また、毎月第2・第4土曜日は午前8時30分から午後0時30分まで区役所区民課で手続きが可能です。午前中の早い時間帯は比較的空いているため、待ち時間を短くしたい方にはおすすめです。
各区役所の窓口情報と連絡先
川崎市には7つの区があり、それぞれの区役所区民課で海外転出届の手続きを行います。以下に各区役所の電話番号を記載しますので、不明点がある場合は事前に問い合わせることをおすすめします。
- 川崎区役所区民課:044-201-3113
- 幸区役所区民課:044-556-6666
- 中原区役所区民課:044-744-3113
- 高津区役所区民課:044-861-3113
- 宮前区役所区民課:044-856-3113
- 多摩区役所区民課:044-935-3113
- 麻生区役所区民課:044-965-5100
参照:川崎市公式サイト「平日のほか、毎月第2・第4土曜日に区役所で転入・転出などの手続きができます」 https://www.city.kawasaki.jp/250/page/0000034383.html
川崎市の海外転出届をオンライン・郵送で提出する方法
急な転出などで窓口に出向くことが難しい場合、川崎市では郵送やオンラインでの届出にも対応しています。特に仕事の都合で平日に時間が取れない方や、既に海外へ出国してしまった方にとって便利な方法です。
ただし、マイナンバーカードの継続利用手続きは窓口でしか行えないため、カードを継続利用したい方は出国前に必ず窓口で手続きを済ませる必要があります。
郵送での届出方法
郵送で海外転出届を提出する場合は、便せんやレポート用紙などに必要事項を記入して、お住まいの区の区役所区民課へ送付します。記入が必要な項目は以下の通りです。
- 届出日
- 届出人の住所、氏名、生年月日
- 転出先の外国の住所(国名だけでも可)
- 出国する方全員の氏名、生年月日、性別、世帯主との続柄、本籍・筆頭者氏名
- 届出人の署名と昼間連絡がつく電話番号
本人確認のため、運転免許証やパスポートなどのコピーを同封してください。海外への転出届では転出証明書は発行されないため、返信用封筒は不要です。
マイナポータルを活用したオンライン届出
マイナンバーカードをお持ちの方は、マイナポータルを通じてオンラインで転出届を提出することも可能です。スマートフォンやパソコンから24時間いつでも申請できるため、窓口に行く時間が取れない方に便利な方法です。
また、川崎市では「ネットdeスマート」というサービスを利用して、事前に申請書の入力と印刷を行うこともできます。窓口での記入時間を短縮できるため、手続きをスムーズに進めたい方におすすめです。
川崎市の海外転出届とマイナンバーカードの取り扱い

マイナンバーカードの取り扱いは、令和6年5月27日の法改正により大きく変わりました。従来は海外転出時にカードを返納する必要がありましたが、現在は継続利用の手続きを行うことで海外でもマイナンバーカードを使い続けることができます。
継続利用を希望する場合は、転出予定日の前日までに窓口での手続きが必要です。この期日を過ぎるとカードは自動的に失効してしまいますので注意してください。
令和6年5月27日以降の法改正について
令和6年5月27日以降、日本国籍の方は海外転出後もマイナンバーカードを継続して利用できるようになりました。この制度改正により、海外在住者もマイナンバーカードを本人確認書類として使用したり、オンラインでの各種手続きに活用したりすることが可能になっています。
ただし、転出届を提出すると署名用電子証明書は失効するため、海外でも電子証明書を利用したい方は新しい署名用電子証明書の発行手続きが必要です。同一世帯員が代理で手続きする場合は、委任状兼暗証番号記載書を封筒に入れて封をした状態で窓口に持参してください。
継続利用の手続き方法
マイナンバーカードの継続利用手続きは、本人またはその法定代理人、同一世帯員が転出届と併せてカードを窓口へ持参して行います。カードの追記欄に海外転出の旨が記載されますので、余白があるか事前に確認しておきましょう。
カードの有効期限が1年未満の場合や余白がない場合は、国外向けマイナンバーカードの交付申請も併せて必要となります。継続利用を希望されない場合はカードを返納することになりますが、帰国後に再申請する際は旧カードを持参すれば手数料無料で新しいカードを受け取ることができます。
川崎市の海外転出届に伴う国民健康保険の手続き
海外転出届を提出すると、国民健康保険の資格は転出予定日の翌日付けで喪失します。これにより保険料の支払い義務がなくなりますが、同時に日本国内での保険診療を受けることもできなくなります。
一時帰国の際に医療機関を受診する可能性がある方は、民間の海外旅行保険や国際医療保険への加入を検討することをおすすめします。
資格喪失の手続き
国民健康保険の資格喪失手続きは、海外転出届の提出と同時に区役所の窓口で行うことができます。手続きの際は、国民健康保険証(資格確認書)を持参し、窓口で返却してください。
同じ世帯に国民健康保険の加入者が残る場合は、その方の保険証も変更が必要となる場合があります。世帯主が転出する場合は特に注意が必要ですので、窓口で詳しく確認することをおすすめします。
海外での医療費について
海外転出届を出さずに国民健康保険に加入したまま渡航した場合、海外での医療費は「海外療養費制度」の対象となります。この制度では、帰国後に申請することで日本国内の保険診療相当額の払い戻しを受けることができます。
ただし、海外での医療費は日本と比べて高額になることが多く、海外療養費制度だけでは十分にカバーできない場合がほとんどです。渡航前に海外旅行保険や現地の医療保険に加入しておくことが重要です。
川崎市の海外転出届に伴う国民年金の手続き
海外転出届を提出すると、国民年金の強制加入被保険者の資格を喪失します。これにより保険料の支払い義務はなくなりますが、その分将来受け取る年金額も減少することになります。
日本国籍をお持ちの方であれば、任意加入制度を利用して海外在住期間中も保険料を納付し続けることが可能です。将来の年金額を維持したい方は、任意加入の手続きを検討してください。
任意加入を選択する場合
海外在住期間中も国民年金の保険料を納付したい場合は、転出届の提出時に年金窓口で任意加入の手続きを行います。保険料の納付方法は、国内にいる親族などの協力者が代わりに納める方法と、国内の預貯金口座から引き落とす方法の2種類があります。
任意加入することで、老齢基礎年金の受給額を維持できるだけでなく、万が一海外で障害を負った場合にも障害基礎年金を請求する権利が保たれます。年額約20万円の負担となりますが、将来への備えとして検討する価値があります。
資格喪失を選択する場合
国民年金の任意加入をせずに資格を喪失した場合、海外在住期間は「合算対象期間(カラ期間)」として扱われます。この期間は年金の受給資格期間には算入されますが、年金額の計算には反映されません。
帰国後は改めて国民年金に加入することになりますが、海外在住期間中に納付しなかった保険料については、帰国後10年以内であれば追納制度を利用して後から納付することも可能です。
川崎市から海外転出届を出した後の帰国時の手続き
海外から帰国してふたたび川崎市に居住する場合は、帰国後14日以内に転入届を提出する必要があります。海外からの転入届では転出証明書がないため、代わりにパスポートと戸籍謄本、戸籍の附票の写しを持参します。
なお、本籍が川崎市内にある方は戸籍謄本と戸籍の附票の写しは不要です。空港の自動化ゲートを利用して入国した場合はパスポートに入国スタンプが押されないため、入国審査官にスタンプを押してもらうか、搭乗券の半券など帰国日がわかるものを持参してください。
転入届を提出すると、国民健康保険や国民年金への再加入手続きも必要となります。多くの場合、転入届と同じ窓口で案内を受けることができますので、まとめて手続きを済ませることをおすすめします。
川崎市の海外転出届に関するよくある質問
海外転出届は転出後でも提出できますか?
やむを得ない事情で転出前に届出ができなかった場合でも、転出後に届出を行うことは可能です。郵送での届出に対応していますので、パスポートの出国記録のコピーや航空券の控えなど、出国日が確認できる書類を同封して区役所区民課へ送付してください。
ただし、届出が遅れた期間分の住民税や保険料は課税・請求されることになりますので、できる限り転出前に手続きを済ませることをおすすめします。
1年未満の海外滞在でも届出は必要ですか?
海外滞在期間が1年未満の予定であれば、原則として海外転出届を提出する必要はありません。ただし、当初1年未満の予定だったものが1年以上に延長となった場合は、その時点で届出が必要となります。
滞在期間が不確定な場合は、区役所の窓口で相談することをおすすめします。状況に応じた適切なアドバイスを受けることができます。
第2・第4土曜日以外の土日に手続きできますか?
川崎市の区役所では、第2・第4土曜日以外の土日や祝日は閉庁しており、転出届の手続きを行うことはできません。平日に時間が取れない方は、第2・第4土曜日の午前中(8時30分〜12時30分)の窓口開庁日を利用するか、郵送での届出をご検討ください。
なお、海外からの転入届の受付は平日のみとなりますので、帰国後の手続きの際はご注意ください。
まとめ
川崎市で海外転出届を提出する際は、お住まいの区の区役所区民課で手続きを行います。届出には本人確認書類、マイナンバーカード、国民健康保険証などが必要で、代理人が届出する場合は委任状も準備してください。
令和6年5月27日以降はマイナンバーカードの海外継続利用が可能になりましたが、転出予定日の前日までに窓口での手続きが必要です。また、海外転出届の提出に伴い、国民健康保険の資格喪失手続きや国民年金の任意加入・資格喪失の選択なども行うことになります。
郵送やマイナポータルを利用したオンライン届出にも対応していますので、ご自身の状況に合わせた方法で手続きを進めてください。不明点がある場合は、各区役所の窓口や川崎市のコールセンター「サンキューコールかわさき」(044-200-3939)に問い合わせることをおすすめします。
