スマートフォンの普及とともに、モバイルバッテリーは私たちの生活に欠かせないアイテムとなりました。しかし、使わなくなったモバイルバッテリーの処分方法をご存知でしょうか。川崎市では令和7年11月から新たに行政回収が始まり、処分方法が大きく変わっています。
この記事では、川崎市にお住まいの方に向けて、モバイルバッテリーの正しい捨て方と具体的な回収場所をわかりやすく解説します。
川崎市のモバイルバッテリー処分で知っておくべき基本ルール
川崎市でモバイルバッテリーを処分する際には、いくつかの重要なルールを理解しておく必要があります。モバイルバッテリーにはリチウムイオン電池が内蔵されており、一般的な燃えるゴミや燃えないゴミとして捨てることはできません。
リチウムイオン電池は「資源有効利用促進法」により、製造メーカーや販売事業者に回収・再資源化が義務づけられています。そのため、川崎市でも専用の回収ルートを利用する必要があるのです。
なお、川崎市では小型家電リサイクルボックスへの投入も認められていません。バッテリー製品は衝撃による発火リスクがあるため、必ず指定された方法で処分してください。
令和7年11月から始まった行政回収制度とは
川崎市では令和7年(2025年)11月から、充電式電池とそれらが内蔵された小型家電製品の行政回収を開始しました。これにより、以前は家電量販店などへの持ち込みが必要だったモバイルバッテリーを、資源物集積所でも回収できるようになっています。
新制度での出し方は、まず端子部分にテープを貼って絶縁処理を行います。次に透明な袋に入れて口をしっかり結び、「充電池」「リチウム」「モバイルバッテリー」などと貼り紙をして資源物集積所に出してください。
膨張・変形している充電式電池は、他の電池と分けて透明な袋に入れ、「リチウム膨張」「リチウム変形」などと貼り紙をして出す必要があります。この制度変更により、川崎市民にとってモバイルバッテリーの処分が格段に便利になりました。
30cm未満と30cm以上で異なる処分方法
川崎市では、モバイルバッテリーのサイズによって処分方法が異なります。一番長いところが30cm未満のモバイルバッテリーは「小物金属」の日に収集されます。
一方、30cm以上の大型モバイルバッテリーは「粗大ごみ」として扱われます。この場合は粗大ごみ受付センターへの電話申し込みと処理手数料が必要です。ただし、30cm以上でも「JBRC回収対象製品」の場合は、JBRC回収拠点または生活環境事業所にて無料で回収してもらえます。
電動自転車のバッテリーなど大型のものを処分する際は、事前にサイズを確認してから適切な方法を選びましょう。
川崎市でモバイルバッテリーを捨てられる5つの場所

川崎市内でモバイルバッテリーを処分できる場所は複数あります。それぞれの特徴を理解して、ご自身の状況に合った方法を選んでください。
JBRC回収協力店(家電量販店など)
一般社団法人JBRCに加盟している家電量販店やホームセンターでは、モバイルバッテリーの回収を行っています。川崎市内にはビックカメラ、ヨドバシカメラ、イトーヨーカドーなど多くの回収協力店があります。
JBRC回収協力店を利用する際は、店舗スタッフに声をかけて直接手渡しする形となります。リチウムイオン電池は危険性があるため、回収ボックスへの投入ではなく対面での受け渡しが基本です。
回収対象となるのは、JBRC会員企業製のニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池の3種類です。電池本体にリサイクルマークがあるか確認してから持ち込みましょう。お近くの回収協力店はJBRCの公式サイトで検索できます。
川崎市生活環境事業所
川崎市の各区にある生活環境事業所では、膨張・破損しているモバイルバッテリーやメーカー不明のものも回収しています。JBRCの回収対象外となる製品はこちらに持ち込むのが確実です。
川崎市内の生活環境事業所は以下の7カ所です。
- 川崎区:川崎生活環境事業所
- 幸区:幸生活環境事業所
- 中原区:中原生活環境事業所
- 高津区:高津生活環境事業所
- 宮前区:宮前生活環境事業所
- 多摩区:多摩生活環境事業所
- 麻生区:麻生生活環境事業所
持ち込みの際は、事前に電話で確認してから訪問することをおすすめします。職員の方が丁寧に対応してくれるため、処分方法に不安がある方にも安心です。
資源物集積所(令和7年11月以降)
令和7年11月からは、お住まいの地域の資源物集積所でもモバイルバッテリーを出せるようになりました。「小物金属」の収集日に合わせて出すことができます。
出し方のポイントは、端子部分をテープで絶縁してから透明な袋に入れることです。袋には「充電池」「リチウム」などと記載した貼り紙をつけてください。収集日の朝8時までに出すようにしましょう。
この方法は自宅近くで処分できるため、最も手軽な選択肢といえます。ただし、膨張や変形がある場合は別袋にして貼り紙で明記する必要があります。
メーカー回収サービス
一部のメーカーでは、使用済みモバイルバッテリーの自主回収を行っています。特にAnker(アンカー・ジャパン株式会社)は自社製品の回収を積極的に実施しており、公式サイトから回収を申し込めます。
メーカー回収を利用するメリットは、製品の状態に関わらず引き取ってもらえる可能性が高い点です。購入時の保証書や製品登録情報があると、よりスムーズに手続きが進みます。
お手持ちのモバイルバッテリーのメーカーが回収サービスを行っているか、公式サイトで確認してみてください。
不用品回収業者
すぐに処分したい場合や、他の不用品とまとめて処分したい場合は、不用品回収業者の利用も選択肢の一つです。即日対応が可能な業者も多く、自宅まで回収に来てもらえる点が便利です。
ただし、不用品回収業者を利用する場合は5,000円から10,000円程度の費用がかかることがあります。また、適正な処理を行う業者かどうか事前に確認することが大切です。自治体の許可を受けた業者を選びましょう。
川崎市のモバイルバッテリー処分前にやるべき準備
モバイルバッテリーを安全に処分するためには、事前の準備が欠かせません。適切な処理を行うことで、回収時の事故を防ぐことができます。
端子部分の絶縁処理方法
モバイルバッテリーを処分する前に、必ず端子部分の絶縁処理を行ってください。これは電流が流れてショートすることを防ぐための重要な作業です。
絶縁処理の手順は非常に簡単です。セロハンテープ、ビニールテープ、ガムテープなどを用意し、端子部分(充電用のUSBポートや接続端子)をしっかりと覆います。テープが剥がれないよう、端子を完全に覆うように貼り付けてください。
複数のモバイルバッテリーを処分する場合は、それぞれ個別に絶縁処理を行いましょう。端子同士が接触するとショートの原因になります。
膨張・破損している場合の注意点
モバイルバッテリーが膨張していたり、外装が破損している場合は特に注意が必要です。膨張したバッテリーは内部でガスが発生している状態であり、発火や破裂のリスクが高まっています。
膨張・破損したモバイルバッテリーは、JBRC回収協力店では回収対象外となります。この場合は川崎市の生活環境事業所に持ち込むか、令和7年11月以降であれば資源物集積所に専用の貼り紙をつけて出してください。
保管時は高温になる場所や直射日光が当たる場所を避け、できるだけ早めに処分することをおすすめします。衝撃を与えないよう丁寧に扱い、無理に分解しようとしないでください。
モバイルバッテリーを普通ゴミで捨ててはいけない理由

「面倒だから普通のゴミと一緒に捨ててしまおう」と考える方もいるかもしれません。しかし、モバイルバッテリーの誤った廃棄は深刻な事故につながります。
ごみ収集車・処理施設での火災リスク
モバイルバッテリーに内蔵されているリチウムイオン電池は、強い衝撃や圧力が加わると発火・爆発する危険性があります。ごみ収集車では収集したゴミを圧縮するため、混入したバッテリーが押しつぶされて火災が発生するケースが多発しています。
東京消防庁のデータによると、令和5年のごみ収集車の火災は41件発生しており、そのうちリチウムイオン電池関連が21件と最も多くなっています。収集車内での火災は作業員の方に重大な怪我を負わせる可能性があり、周囲の住民にも被害が及ぶおそれがあります。
全国で年間1万件超の発火事故が発生
政府広報オンラインによると、リチウムイオン電池が混ざった一般ごみから出火し消防隊等によって消火されたケースは、令和4年度が4,260件だったのに対し、令和5年度は8,543件と倍増しています。
また、環境省の調査では、ごみ処理場などでのリチウムイオン電池が原因の火災事故は全国で年間1万1,000件以上発生しているとされています。製品評価技術基盤機構(NITE)の調査では、2018年度から2021年度の4年間で被害額は約111億円にも達しています。
火災原因品目別では、モバイルバッテリーが最も多く、次いで加熱式たばこ、コードレス掃除機の順となっています。私たち一人ひとりが正しく分別することで、これらの事故を防ぐことができます。
川崎市のモバイルバッテリー処分に関するよくある質問
Q1. 県外で購入したモバイルバッテリーも川崎市で回収してもらえますか?
川崎市にお住まいであれば、どこで購入したモバイルバッテリーでも回収してもらえます。県外で購入したものでも問題ありません。ただし、JBRC回収協力店を利用する場合は、JBRC会員企業製の製品に限られます。
会員企業以外の製品やメーカー不明のものは、川崎市の生活環境事業所に持ち込むか、令和7年11月以降であれば資源物集積所に出すことができます。
Q2. スマートフォンに内蔵されたバッテリーはどうすればいいですか?
スマートフォンのように電池が取り外せない製品は、無理に分解しないでください。バッテリー内蔵のまま、小型家電として処分します。
川崎市では令和7年11月以降、充電式電池が内蔵された小型家電製品も行政回収の対象となっています。家電製品から充電式電池を無理に取り外そうとすると発煙・発火の可能性があり危険ですので、取り外さないまま出してください。
Q3. ポータブル電源は同じ方法で処分できますか?
ポータブル電源(大容量のモバイルバッテリー)については、川崎市では収集対象外となっています。処分を希望する場合は、メーカーや販売店に問い合わせてください。
同様に、自動車用バッテリー、パソコン本体(パソコンから外した電池は除く)、ナンバープレート付きの電動キックボード本体及びバッテリーも収集対象外です。
まとめ
川崎市でモバイルバッテリーを処分する方法について解説しました。令和7年11月から行政回収が始まり、資源物集積所でも出せるようになったことで、処分の選択肢が広がっています。処分前には必ず端子部分の絶縁処理を行い、膨張・破損しているものは別途対応が必要です。モバイルバッテリーを普通のゴミとして捨てることは、ごみ収集車や処理施設での火災事故につながる危険な行為です。正しい分別を心がけることで、作業員の安全を守り、川崎市の環境保護にも貢献できます。お手元に不要なモバイルバッテリーがあれば、この記事を参考に適切な方法で処分してください。
