川崎市では子育て世帯を支援するため、子ども医療費助成制度を設けています。令和5年9月から大きな制度改正が行われ、所得制限が撤廃されました。
本記事では、川崎市の子ども医療費助成制度について、所得制限撤廃の詳細や申請方法、今後の制度拡充まで詳しく解説します。
川崎市の子ども医療費助成制度とは
川崎市では、子どもの健康を守り、子育て世帯の経済的負担を軽減するために小児医療費助成制度を実施しています。この制度を利用することで、病院での窓口負担が大幅に軽減されます。
制度の概要と助成内容
川崎市の小児医療費助成制度は、市内に住所があり健康保険に加入している0歳から中学校卒業までの子どもを対象としています。通院・入院・調剤にかかる保険医療費の自己負担額が助成されるため、子どもが急な病気やケガをした際も安心して医療機関を受診できます。
助成を受けるためには小児医療証の交付を受ける必要があり、医療機関の窓口で健康保険証と一緒に提示することで助成が適用されます。神奈川県内の医療機関であれば、川崎市の小児医療証をそのまま使用することが可能です。
助成対象となる医療費の範囲
助成の対象となるのは、保険診療が適用される医療費です。具体的には、診察料・検査料・投薬料・処置料・入院費用などが該当します。
一方で、助成対象外となるものもあります。
- 薬の容器代や差額ベッド代
- 健康診断や予防接種などの自費診療
- 食事療養標準負担額(入院時の食事代)
- 文書料(診断書の発行料など)
また令和6年10月以降は、ジェネリック医薬品がある薬で先発医薬品を希望した場合、その差額部分は助成対象外となりました。ただし、医療上の必要性がある場合や在庫がない場合は例外として助成されます。
川崎市の子ども医療費における所得制限の撤廃について

川崎市の子ども医療費助成制度は、かつて保護者の所得によって助成を受けられない場合がありました。しかし、令和5年9月から大きな制度改正が実施され、所得制限が完全に撤廃されています。
令和5年9月から所得制限が撤廃
川崎市では令和5年9月1日から、通院医療費助成における所得制限を撤廃しました。この改正により、保護者の所得に関係なく、川崎市内に住むすべての中学3年生以下の子どもが小児医療費助成の対象となっています。
改正前は所得制限により約6万7600人が助成対象外でしたが、現在はこれらの子どもたちも含めて約19万人が助成を受けられるようになりました。市の財政への影響は年間約16億円と見込まれていますが、子育て支援の充実を図るため制度拡充に踏み切った形です。
入院医療費については、それ以前の平成31年1月から所得制限が廃止されており、現在は通院・入院ともに所得制限なく助成を受けることができます。
所得確認が必要な理由
所得制限が撤廃された現在でも、申請時には保護者の所得確認が行われます。これは川崎市の小児医療費助成事業が神奈川県からの補助金を受けて運営されているためです。
県への報告や制度維持のための財源確保に必要な手続きとなっており、所得が高くても助成を受けられなくなることはありません。申請者は原則として父母のうち所得の高い方となり、川崎市内で課税決定されている場合は市内の課税情報を用いて審査が行われます。
川崎市の子ども医療費の対象年齢と一部負担金
川崎市の子ども医療費助成では、子どもの年齢によって窓口での自己負担額が異なります。小学3年生までと小学4年生以上で助成内容に違いがあるため、正しく理解しておくことが大切です。
年齢別の助成内容
川崎市の小児医療費助成制度では、年齢に応じて以下のような助成が行われています。
- 0歳~小学3年生:通院・入院・調剤すべて窓口負担なし(全額助成)
- 小学4年生~中学3年生:通院1回につき最大500円の一部負担金あり、入院・調剤は全額助成
小学4年生以上の子どもについては、1回の通院につき500円を上限として窓口で支払う必要があります。ただし、医療費が500円未満の場合は実費負担となり、500円を超えた分は助成されます。
入院医療費については年齢に関係なく全額助成されるため、入院時の医療費負担を心配する必要はありません。
一部負担金が免除されるケース
小学4年生から中学3年生までの子どもでも、一部負担金が免除される場合があります。申請者(保護者)の市民税所得割が非課税の場合は、一部負担金なしで全額助成を受けることが可能です。
毎年夏頃に所得審査が行われ、その結果に基づいて一部負担金の有無が判定されます。市民税所得割が非課税であることを証明するためには、課税証明書や非課税証明書の提出が必要となる場合があります。
また、重度障害者医療費助成制度やひとり親家庭等医療費助成制度の対象となっている場合は、小児医療費助成よりもそちらの制度が優先されます。
川崎市の子ども医療費助成の申請方法と必要書類
川崎市で子ども医療費助成を受けるためには、小児医療証の交付申請が必要です。出生届提出後や転入後は速やかに申請手続きを行いましょう。
オンライン申請の手順
川崎市では、マイナンバーカードを持っている保護者向けにオンライン申請を受け付けています。マイナポータルの「ぴったりサービス」から小児医療証新規発行の手続きが可能です。
オンライン申請に必要なものは以下の通りです。
- 申請者のマイナンバーカード
- 子どものマイナンバーカードまたは資格確認書等の画像
- 健康保険の資格情報がわかるもの
申請後、保険情報の確認を経て原則5開庁日程度で医療証が発送されます。申請内容に不備がある場合や所得情報が確認できない場合は、追加で連絡が届くこともあります。
窓口・郵送での申請方法
マイナンバーカードを持っていない場合や、オンライン申請が難しい場合は、各区役所の窓口または郵送で申請できます。
窓口申請の場合は、お住まいの区の区役所保険年金課「後期・介護・医療費助成担当」へ直接出向きます。申請に必要な書類は、子どもの健康保険証(または資格確認書)、申請者の身元確認書類、申請者と配偶者のマイナンバー確認書類です。
郵送申請の場合は、川崎市のホームページから申請書をダウンロードして必要事項を記入し、必要書類のコピーを同封して送付します。不明点がある場合は、小児医療証事務処理センター(電話:044-222-6211)に問い合わせることができます。
令和8年9月から川崎市の子ども医療費助成が拡充予定

川崎市では、子育て支援のさらなる充実を図るため、令和8年9月からの制度拡充が決定しています。対象年齢の拡大と一部負担金の廃止という大きな変更が予定されています。
高校生年代まで助成対象が拡大
令和8年9月からは、助成対象年齢が現在の中学3年生までから高校生年代まで拡大されます。具体的には「18歳に達した日以降の最初の3月31日までの方」が対象となり、高校に通っていない子どもも含まれます。
この拡充により、川崎市で子育てする世帯は、子どもが18歳になるまで医療費助成を受けられるようになります。県内の他自治体と比較して遅れが指摘されていた川崎市ですが、この改正によって子育て支援の水準が大幅に向上することになります。
一部負担金の廃止
令和8年9月の制度改正では、現在小学4年生以上に設けられている通院1回あたり500円の一部負担金も廃止されます。
これにより、0歳から高校生年代までのすべての子どもが、通院・入院・調剤において窓口負担なしで医療を受けられるようになります。子育て世帯にとって経済的な負担がさらに軽減されることが期待されています。
詳細については今後、川崎市の特設ページで順次発表される予定ですので、該当する子どもがいる家庭は最新情報をチェックしておくことをおすすめします。
川崎市の子ども医療費に関するよくある質問
Q1. 川崎市外の病院でも小児医療証は使えますか?
神奈川県内の保険医療機関であれば、川崎市の小児医療証をそのまま使用できます。県外の医療機関を受診した場合は、一度窓口で医療費を支払い、後日区役所で払い戻し(償還払い)の申請を行う必要があります。領収書や健康保険証、医療証、振込先口座がわかるものを持参してください。
Q2. 小児医療証を紛失した場合はどうすればいいですか?
小児医療証を紛失した場合は、再交付の申請が必要です。お住まいの区の区役所保険年金課で手続きできるほか、オンライン手続かわさき(e-KAWASAKI)からも申請可能です。再交付までの間に医療機関を受診する場合は、後日払い戻しの申請ができますので領収書を保管しておきましょう。
Q3. 学校でケガをした場合も小児医療証は使えますか?
学校管理下で発生したケガや病気については、独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度が適用されます。この場合は小児医療証を使わず、医療機関で通常の自己負担額(小学校就学前2割、小学生以上3割)を支払ってください。災害共済給付の対象外となった場合は、後から小児医療費助成の払い戻し申請が可能です。
まとめ
川崎市の子ども医療費助成制度は、令和5年9月から所得制限が撤廃され、すべての中学3年生以下の子どもが助成対象となりました。小学3年生までは窓口負担なし、小学4年生から中学3年生は通院1回500円の一部負担金で医療を受けられます。
申請はマイナポータルからのオンライン申請のほか、区役所窓口や郵送でも可能です。また、令和8年9月からは高校生年代まで対象が拡大され、一部負担金も廃止される予定となっています。川崎市で子育てをする方は、ぜひこの制度を活用して子どもの健康を守りましょう。
